お子さんをお持ちの方や、現在現役の方、
学校の成績って気になりますよね。
英語とか数学とかの所謂、主要5教科はテストの点数やプリントで点数化されているものが多く、成績の付け方も比較的わかりやすいと思います。
しかし、美術などの技能科目はたとえテストで良い点数だったとしても、良い評価がつくとは限らないので謎が大きいですよね。
今回は私が非常勤講師だった頃、どのように成績をつけていたか、簡単なポイントを説明したいと思います。
美術の成績はどのようにつけているのか?
美術科の成績の付け方は、担当の教師によって違いがあります。
(これは、別の教科にもいえる事ですが美術は特に大きく違う可能性があるんです><)
とは言いましても、各教員が勝手気ままに成績をつけているわけではありません。
まず、成績はそれぞれ決められた基準に沿って評価されます。
(大体新学期の一番最初などにプリントで配られる事が多いです。)
美術では4つの観点があり、その観点別に評価をつける事になっています。
- 関心・意欲・態度
- 発想や構想の能力
- 創造的な技能
- 鑑賞の能力
以上4つ、それぞれの能力ごとに成績をつけて評価を行う事になります。
具体的にどのようなものでこれらの能力を評価するかというと
- テスト
- 作品・提出物
- 授業態度
こういったものを見ていくことが多いですね。
テスト
定期テストです。
美術などの技能教科ですと、それぞれの学期にテストは1回と言うことが多いですね。
テストも観点別で評価をつけるのが基本なので、
観点別に問題を作ります。
このとき、どの問題がどの観点に当てはまるかというのは悩みどころでして、教員によって同じような問題でも違う観点に割り振られていることもあります。
また、発想や構想の能力、創造的な技能に関してはテストの中で実技問題を出すかどうかでテストの成績における比率は大きく変わります。
実技問題が無いとテストでは全く評価しない観点が出てきてしまいます。
※実技問題しか出さないという先生もいらっしゃいます。
この場合、作品の説明なども一緒に書かせることで鑑賞の能力を評価します。(それ以外は作品をみて評価)
こういったテストの出し方なども教員の癖が出てきますね><
作品・提出物
美術の評価で、ほとんどの場合一番配点が高い部分になります。
提出物は、作品もそうですが、プリント類などもきちんとやりきって出しているかが重要です。
例えば、「ゴッホのひまわりを観賞して具体的に感想を書こう」という課題をやったとします。
この場合、きちんと鑑賞出来ているか(作品と感想の間に矛盾が無いかとか、細かいところまでよく観察、分析出来ているか、自分自身の思いや感想を書けているかなど)を評価します。
実は沢山かいてある子ほど評価は高くつけやすいです。
なぜなら、基本的には生徒の加点ポイントを探して評価しているので、努力が見えると+@の点数をつけやすいからです><
(5点満点でつけていたとしたら4点くらいまでは努力でいけることが多いです。)
作品は、それぞれの作品ごとに評価のポイントを見てつけていきます。
ものすごく苦手な子でも丁寧に頑張って完成させれば、5点中3点はとれる子がほとんどです。(ここも努力が見えると+@つけやすいです><)
授業態度
これはこのままどれだけ授業をきちんと真面目にやっているかどうか。
5点満点でつけるとしたら、基本的に全員3とみなし、そこから授業態度のよろしくない子はマイナス、頑張っている子はプラスというようにつけていました。
つまり、目立って悪くも無く、すごい集中力で作品を作っているわけでもない子は基本3点というようにつけていました。
美術の授業って何をやるかどうやって決めているの?
学習指導要領にそって授業内容は決定します。
しかし数学などと違って、美術だとどんなことをやるかは教員の裁量が大きいです。
これは仕方の無いところもあって、学校の状況などによって授業内容を考えないといけません。
美術室が足りなくなっちゃったり(スペースがなかったり)、美術で使えるデジタル機器の種類が学校によったり、設備も全然違ったりするんです。
美術室が足りないというのは1学年10クラス近くあると3学年で30クラス。
1週間に30時間も授業ってないですよね。
(1年生だと1週間に1時間より多いですし)
そうすると、美術室が1つだと全クラスが使えない><
ということになります。
この場合、この学年は教室で授業を行う、というような対処をします。
すると、教室で出来る授業内容を考えないといけないですよね。
絵の具を使ったり、ゴミが沢山出たりすることは難しくなります><
こういった色々な問題と、学習指導要領、評価をどうやってつけるのか(時間数に余裕がないので、どうしても評価が難しいものは出来なくなります><)、各教員の思い(美術教育に対する考え方ですね)、予算(学校によって、どれだけ予算が使えるかって違うんですよね・・・)、を合わせて授業内容は決まっていきます。
学習指導要領って?
学習指導要領とは、教えなければならない最低限の内容などを決めた基準の事です。
美術科においては、あまり具体的に授業で扱う内容が指定されていないので、教師の裁量が大きい教科だと思います。
指導要領だけですと、あまりに具体性に欠けるため、解説というものも出ています。
(それぞれの地方の教育委員会が独自に地域性を持たせたものを出している場合もあります。)
まとめ
中学教の美術の成績の付け方の大まかな方法はいかがでしたか?
ちなみに、よく美術は先生の好き嫌いでつけられている・・・・という事を話す方がいるんですが、最近はそれぞれの点数のデータをエクセルでまとめて自動的に成績がついてしまうので、単純に好き嫌いでつける事は不可能に近いです。
それに、好き嫌いでつけている先生っては見たことないです。
むしろ、態度が悪いので良い成績をつけたくないのに、テストの点数などが高く良い成績を付けざる得なくて悔しい思いこぼしている先生は見たことあります。(成績において授業態度で大半を付けることは不可能なので)
成績が出た後に、微妙なラインで一段階下がってしまった子などは調整として加点する場合はあります。減点はまずあり得ません。
それに、学年全体で成績のチェックを何度も行いますので、あれ?っと思う成績の付け方がされていたら、他の先生からの質問が来て、それに答える必要があります。
それでも、成績の付け方に納得がいかない方は、直接教科担任に連絡をとって一度聞いてみることをお勧めします。
(生徒が、成績の相談の延長として聞きにくれば、時間をとって説明してくれると思いますよ!)
自分では気づかない部分の評価が全体に影響を与えている可能性があります。
個々の作品などは、成績をつける基準(何を重視してつけるのか)を決めて評価を行うので、上手くても、その基準に沿っていないと高い点数がつかないと言うこともあるので注意です。
これを言うと、「杓子定規で!」とお怒りのお声を頂きそうですが、ある程度機械的に基準で切っていかないと、それこそ教員の感覚や好き嫌いで点数が大きく変わってしまう事があるので・・・・・・・・><
多い先生だと、1人で700人くらいの成績をつける事になるので、ある程度機械的につけないと間に合わないということもあります・・・・・。(美術科の先生は人数が多い学校だと一人で18クラスとか、20クラスとか授業持たれていたりしますので・・・これプラス担任のお仕事などがある場合も・・・・)
それぞれの作品の評価などは、またそれぞれの課題によって評価ポイントなどがありますので、それは、また今度書きたいと思います><
おまけ・・・・・美術の成績を上げるには?
真面目に頑張る! 提出物を守る!
これが一番手軽に出来て、効果があることだと思います。
これが出来ていれば、美術が苦手な子でも3はとれるはず!
(テストも苦手で、ものすごく美術が描けない・・・・となると2になってしまうかもしれませんが><)
(※4や5がとりたいとなると、これだけでは足りないので注意が必要です)
※地域や学校によっても違いがあるのでご注意ください。